故ジル・ローランを偲んで

A blog to remember Gilles Laurent, who died in Brussels Attack in the middle of making his film about Fukushima / this blog is organized by his wife Reiko Udo

ジルとの不思議な旅 ⑩ ”忖度”なんてしてはいけない

今ならもう、私の知っていること、ある”事実語り”を行ってもいいのだろうか。 これも、ジルと知り合ったからこそ私が見聞きすることになった、”不思議な旅”の一部だから。 (注:後半はあくまでも私の”推論”であることをお断りしておきます) 時は2016年…

ジルとの不思議な旅 ⑨ 社会でハキハキと喋るということ

2017年撮影。2016~2017年は、人前に出て喋ることが本当に多かった。 今日、NHKの「首都圏ネタドリ」という番組をたまたま見ていたら、1年8ヶ月前に「山梨不明女児事件」として大きく報道された、小倉美咲さんのご家族の話が特集されていた。 次女の美咲さ…

ジルとの不思議な旅 ⑧ チワワのみかんちゃん

左がみかん。右が私が飼っていたおーちゃん。2009年撮影 「みかんが死んだ」 ・・そんな悲しいお知らせにフリーズしてしまった今週だった。 みかんというのは、以前、私がこのブログでも書いたチワワの「オーちゃん」 (http://gillesfilm.hatenablog.co…

ジルとの不思議な旅 ⑦ ちょっとクスッとなる10年前の写真たち

Vol. 7 ちょっとクスッとなる10年前の写真たち Funny photos of 10 years ago 本日は短いけれども閑話休題で、10年前の写真を3枚。 まだ子供がたった一人、長女だけだった頃。 ジルと長女のツーショット、自ずと私がカメラマンで。 (3枚をアルバムから…

ジルとの不思議な旅 ⑥ はじめての”母の日”

若くてびっくり! 撮影はほぼジャスト10年前、2011年5月22日。 私のカメラに残っていたので、勝手に使えたとすると撮影はジルなのだろうか・・。 Vol. 6 はじめての母の日 「マミィ(私にとっての義母)の母の日を祝おう」と集まった、10年前のある日の…

ジルとの不思議な旅 ⑤ 最後のまなざし

ジルの遺品のカメラに残っていた最後の写真は、 日本を発つ直前に撮影した、子供たちがひたすらお絵かきをしていた姿、86枚だった。 Vol. 5 最後のまなざし 5年前のちょうど今くらいの頃のお話。 ジルが亡くなり、故郷ブイヨンでの葬儀を終えた後。 ブリ…

ジルとの不思議な旅 ④ 記憶の”引き出し”はどこに

2013年11月、東京にて。2、3ヶ月ぶりに会った長女がフランス語を忘れており、 愕然としていたジルだが・・そのころの長女の笑顔。何となく複雑なものを感じさせる。 Vol. 4 記憶の”引き出し”はどこに 人はどうやって”バイリンガル”というものになるのだろ…

ジルとの不思議な旅 ③ 虫の命は軽くない

映画「残されし大地」でボツになったものの、個人的に”惜しい”と思ったであろうシーンのスクショがジルのコンピュータに残されていた。そのうちの一つ、夏の風物詩、セミの抜け殻。 Vol.3 虫の命は軽くない ジルと出会って考え直すきっかけを持ったことのひ…

ジルとの不思議な旅 ② 好きな色はネイビー

ある日の仕事現場で。モデルが来る前にダミーとしてカメラマンさんに撮ってもらっていた写真。 Vol. 2 好きな色はネイビー 突然のテロで夫を失くす。 想像だにしなかった出来事が振りかぶった直後、実は私は「今の仕事を続けるのは無理かもしれないな」と思…

ジルとの不思議な旅 ➀ 王さまと私

ベルギー国王夫妻とお子様たち。即位直後の2013年7月 Vol. 1 王さまと私 ジルとの出会いから映画「残されし大地」が日本でも公開されるようになったいきさつまで。それを「もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年」と題して2月11日から3月22日まで一気に書き…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㊵

大好きな私のベルギーの家族。2017年の夏撮影。 Vol. 40 世界で一番、恵まれた嫁 ジルの命日である今日、3月22日。 私が一番、その心情を気がかりにするのがベルギーの家族だ。 ジルにはブイヨンに住む両親と、ブリュッセルやナミュールに住む姉妹がいる。み…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㊴

2011年の夏ごろ。長女、ファーストシューズを履いて。 Vol.39 お彼岸と命日 毎年、このころになると奇妙な思いに駆られるのだった。 なぜならジルの命日は、3月22日。 そして、お彼岸はいつもの年なら3月21日と、日にちがほぼ重なるところ。死者が帰ってくる…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㊳

Vol. 38 追悼ビデオが完成しました いよいよジルが亡くなってから5年になる節目、3月22日が近づいて来ました。 この日のために、追悼ビデオを作ってもらいました。 https://vimeo.com/526086387 音楽は、久石譲のSummer。 子供たちの音楽教室の発表会で、た…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㊲

2017年の夏、ベルギーはブイヨンにて。二匹のチワワを散歩する娘たち。 後方がおーちゃん、前方が甥っ子のタオ。 Vol. 37 犬のおーちゃん 〜後編〜 ㊱のお話の続きです。 おーちゃんを預かるうちに、この小型犬の魅力にハマった義両親は・・「私たちもチワワ…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㊱

2009年の暮れ。今は亡きチワワのオーちゃんと。(photo by Gilles) Vol. 36 犬のおーちゃん 〜前編〜今日は”スピンオフ”のお話。 私がジルと出会うより前の2008年から飼っていて、一昨年亡くなってしまった忘れ得ぬ犬、「おーちゃん」の話をしたい。 「…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉟

映画のワンシーンより。空の表情を撮ったカットも多い。 Vol. 35 「残されし大地」と名付けた理由 いろいろと資料整理をしていたら、これがポン、と出てきた。 不思議だ。ジルがこれ出していいよ、とメッセージしているのかもしれない。 前回のブログの冒頭…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉞

映画のお陰で生き延びられた私。この後、相次ぐことになる”登壇”の第一歩はここで。 群馬県高崎市で行われた「全国コミュニティシネマ会議2016」でのショット。 Vo. 34 映画という名前のお神輿 〜その2 ㉝のお話の続きです。 「どうもどうも、奥山と申…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉝

2016年4月23日土曜日・読売新聞夕刊。これが私が初めて取材に応じた記録。 ブリュッセル支局の横堀記者には、その後も別の暖かい記事でフォロー頂いた。 この見出しからもわかるがベルギーテロから1ヶ月は、熊本地震から1週間と重なっていた。 Vol. 33 …

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉜

2016年4月、北九州市にて。パパの死を知った直後のころだが、こんなに元気そうな長女。 でも今見ると、表情がひとつ成長しているような気も。半円状のシーソーに乗って。 シーソーの反対側には、次女がいた。パパの死の前後でも、 二人のそのエネルギーと無…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉛

向かって左がジル、そして右が映画のカメラマン、ローラン・フェナール (Lanrent Fenart)。 彼は仏セザール賞を受賞したこともあるそう。ジルの希望が叶ったキャスティングだった。 撮影の前後は東京の我が家にも泊まっていたけど、我々と同じ年頃の気さくな…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉚

Vol.30 あの日のことを、書かねばならない 〜その3 ㉙のお話の続きです。 「ジルが亡くなった」 そう聞いて打ちのめされて、泣きながらスカイプを切った。 心配そうに私を見つめていた母に、「ベルギーへ行くから、娘たちを北九州で預かって欲しい」と頼ん…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉙

映画「残されし大地」のワンシーンより。 昨日のお話の続きに入る、その前に。 ついに今日で東日本大震災から10年。 今も行方不明の家族を探している人が居る、ということがニュースなどで伝えられる。今はどこに、海の中なのか、土地の中なのだろうか・・と…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉘

2016年2月。ジルの留守中。そして彼が亡くなる1ヶ月くらい前の姉妹の写真。 Vol. 28 あの日のことを、書かねばならない 〜その2 ㉖のお話の続きです。 もちろん出会った当初の、拠点が別々だった時も。結婚してベルギーで、そしてその後日本で一緒に住みは…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ5年 ㉗

Vol. 27 オンライン上映、coming soon! ジル・ローラン監督 享年46 ようやく、映画をご覧いただける期間限定のリンクが出揃いました。 いよいよ明後日からです! 以下の文面をしたためたチラシをお会いした方には配っています。改めて挨拶文を書いてみま…

リンク発表!その② 映画「残されし大地」(日本版)

ジル・ローラン監督。映画メイキング中より 2021年3月11日〜3月22日 12日間限定 無料オンライン上映 日本版 映画「残されし大地」 〜日本の配給クレジット、日本語の説明字幕付き〜 リンクはこちら↓ (上記期間のみオープン。何時でも見られます) ht…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ5年 ㉖

ベルギーに住んでいた頃にとった夕焼け・・だと思う。 Vol. 26 あの日のことを、書かねばならない 〜その1 ㉔のお話の続きです。 撮影が終わったのは10月。いよいよ編集作業だ。 そのためにジルはベルギーへ帰国することとなっていた。 この映画「残され…

リンク発表! 映画「残されし大地」(英語字幕付き)

ジル・ローラン監督(2016年3月22日没) 2021年3月11日〜3月22日 12日間限定 無料オンライン上映 映画「残されし大地」 〜ベルギー版 'The Abandonned Land' (英語字幕付き)〜 リンクはこちら↓ (上記期間のみオープン。何時でも見られます…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ5年 ㉕

遠くに見えるのは、ジルを含む映画「残されし大地」のたった3人のクルー。 ジル監督、カメラマン、サウンドエンジニア。なんだかテラリウムみたいな不思議な遠近写真。 (撮影者は、コーディネーターとして同行してくれた通訳の山本啓介さん。) Vol.25 ネ…

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉔

映画「残されし大地」の中には、何気ないところで虫の姿がたびたび出てくる。 これは蜘蛛の巣に捕まってしまったであろう蝶々。 こんな風に、ひとたび絵にすれば心掴む絵を、絶対に見逃さないのがジルだった。 Vol. 24 映画「残されし大地」への道 〜その3 …

もうすぐ10年。そしてもうすぐ、5年。 ㉓

2014年、ジルが単独で訪ねたときの、松村さん。背後にあるのは当時まで荒廃していた富岡の駅。 線路だったはずのところは緑のジャングルに覆われて。 Vol. 23 映画「残されし大地」への道 〜その2 さて、㉑のお話の続きです。 それは2014年の秋ごろだったと…