故ジル・ローランを偲んで

A blog to remember Gilles Laurent, who died in Brussels Attack in the middle of making his film about Fukushima / this blog is organized by his wife Reiko Udo

デスクトップに残る写真。 The last photos on his desktop

ジルは4人兄弟のど真ん中。

・・というのも、上のお姉さん二人が双子で、下ひとりの妹に挟まれているのです。お姉さんたちより五つ年下、そして妹より五つ年上です。

 

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これはジルが亡くなった当時、抱えていたMac Power Bookのデスクトップに残していた写真。日本に居た時に撮ったもので、4人で”兄弟会議”が必要だった時に、同時スカイプをしていた時の、スクリーンショットです。(左から妹のアリス、お姉さんのマルレーヌ、そしてもう一人のお姉さんのシルヴィー。)

兄弟はとても仲が良く、ベルギーに住んでいた時もお互いの家をしょっちゅう行き来していて、私たちが日本に住み始めてからも、毎週日曜日の晩はベルギーの家族の誰かと”スカイプ・タイム”だったものです。3人のうち2人は日本にも遊びに来てくれました。

 

とはいえ、4人全員同時にスカイプ・・ということは珍しかったので、記念ショットとして、これを残したのでしょうね。私もこの当時「わ〜〜! 全員集合。All sisters !」と言いながら、ジルの背後から手を振って笑みを返してもらっていたのを思い出します。

 

そしてもう一枚、デスクトップに残っていたのがこの写真。

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ガレット・ド・ロワの王冠を被っていますから・・2013年の1月6日と思われます。私の誕生日でありながら、この日はヨーロッパではこのケーキを食べる日なので、何度か一緒にお祝いした記憶が。長女2歳、次女9か月。この空間は、当時住んでいたブリュッセルのアパートのもの。ベビーカー、椅子の形、テーブルクロス、そして乳児用のおもちゃなどが懐かしいです。

 

お姉さんたちと、私たちジル自身の家族と。

 

他にも写真はアプリケーションの中にたくさん残っていたけれども、目に見える形で貼り付けていたこの2枚の写真に、彼の家族に対する気持ちをひしひしと感じます。

 

パソコン自体は壊されてしまったけれども、復元されたハードディスク。

この年末年始に実家で時間があった時に意を決して、何が残っていたのかを探索をしました。映画の準備中の写真、取材メモのようなもの、実際のフィルムのスクリーンショット・・そして家族写真に至っては、2009年ごろのものから、ちゃんと入っていました。復元されることができて、本当によかった・・。

 

そして、亡くなる当日の彼の足取りを物語る操作の跡も見つかりました。

それを発見した時の衝撃は忘れられません。北九州市での上映会の時のスピーチにも少し入れましたが、次回はまたそれについて詳しく・・。