故ジル・ローランを偲んで

A blog to remember Gilles Laurent, who died in Brussels Attack in the middle of making his film about Fukushima / this blog is organized by his wife Reiko Udo

奥山さん。そして京都国際映画祭2020

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先日、夫ジルが生きていればの51回目の誕生日(9月16日)の、まさに前日のこと。

 


携帯電話の着信にふと目をやると、「奥山さん」とあった。そう、あの映画プロデューサーの奥山和由さん。4年前の秋、ジルの映画に目をつけてくれ、秋の京都国際映画祭のクロージング上映に大抜擢してくださった方。


「今年、例のあの京都国際映画祭が、オンライン開催になるんですよ。それで、過去のアーカイブを上映しましょうということになって。『残されし大地』、どうですか」

 


久しぶりにお聞きする人懐こい声で。

 


もちろん、快諾。

 


なんだか、奥山さんはいつだってタイミングよく登場してくださる。

これが今は亡きジルへの、誕生日プレゼントでなくてなんというだろう。

 


映画は4年前の10月に京都国際映画祭で上映され、そのときの忘れえぬ思い出としては、なんとあの高島礼子さんと登壇したこと。

丁寧に事前に映画を見てくださって、私のブログまで読んで、コメントを準備してくださっていた。

 


「素敵な映画でした」と白く美しい着物姿と笑顔でおっしゃるお姿は、まるで美しい“白い発光体”を見ているようだったのを思い出す。

 


このキャスティングは奥山さん流の世間への“サプライズ”、話題作りの掛け合わせでもあった。

高島礼子さんが離婚会見後からしばらくぶりに世間へ姿を・・ということで、映画のことはさておき(笑)、彼女の姿を捕らえよう、隙あらばお言葉をと待ち構える報道陣で、会場(祇園会館)周辺はごった返していた。

早めに会場に着いた私のタクシーにも、間違えてどどどっと人が押し寄せたなぁ、というのも特異な体験。

 


思い出は走馬灯のように・・だが、あの時の名プロデューサー。

 


またこうしてお声がけくださり、それもまずは映画祭関係者からではなく、律儀にご自身でお電話をしてくださるところが、奥山さんらしいなぁ、と思った。

 


オンライン上映は10月15日から、18日の予定でオンデマンドでとのこと。

 


残念ながら、写真のようにベルギー本国ではDVD発売されたものがあるものの、日本版の制作には至らなかった本作。

当時見逃したままの方に届けるのは難しいところがあったのだが、今回のチャンスに、また少しでも触れていただける方が増えれば・・こんなに嬉しいことはない。