故ジル・ローランを偲んで

A blog to remember Gilles Laurent, who died in Brussels Attack in the middle of making his film about Fukushima / this blog is organized by his wife Reiko Udo

もうすぐ10年。そしてもうすぐ5年 ㉕

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遠くに見えるのは、ジルを含む映画「残されし大地」のたった3人のクルー。

ジル監督、カメラマン、サウンドエンジニア。なんだかテラリウムみたいな不思議な遠近写真。

(撮影者は、コーディネーターとして同行してくれた通訳の山本啓介さん。)

 

Vol.25   ネコが多数出演!メイキング・ビデオ

 

※途中で音声がない部分がほんの少しありますが、それは元々です。

皆さんのデバイスの不具合ではないので心配しないでください。

youtu.be

 

 「しろ〜(ネコの名前)。 ちょっとまってください〜。」

言葉わからぬネコの背を触りつつ、演技指導するシーンが特に好き。

というか、ネコに演技指導って、世界で一番大変なことしてない!?

 

そして虫にも、牛にもなんとか移動を促して、いい絵を撮ろうと頑張っている。

 

以前のブログで「ジルの動画がなかなか見つけられなかった」と書いたが、一連の取材などが終わりしばらくたった頃、ベルギーの映画プロダクションから、この”動くジル”が入った貴重なメイキング動画が送られてきた。

映画の撮影カメラマンさんが、合間合間に撮ってくれていた映像。それを後ほどエディターさんがつなぎ合わせてくれた、いわば”思い出ビデオ”。こんなものを残してくれて、本当にありがたい。

 

ところどころ漏れ聞こえるフランス語。つたない日本語。

ジルの背中やら手やら、歩き方やら懐かしい。

 

そして、映画本編にも余すところなく捉えられていることだが、福島・富岡町の自然が本当に美しい。まるで手付かずの自然のように見える。もともと緑が多かったにせよ、当時は震災からたったの約4年半ごろ。違う意味でのワイルドさを増した状態だったのだとも思う。

でも、そこに逆に人手の入らない時の、自然や命のパワフルさを感じてしまう。

 

けれども私が個人的に一番好きなのは、やっぱりネコに演技指導しているところ(笑)。

 

ジルもカメラマンも、背中を撫でて撫でてなだめすかすけど・・なかなかうまくは行かない。でも、本編ではしっかりと別の偶然の瞬間を捉えて、ネコちゃんたちが映画にほっとする彩りを添えてくれているので、ぜひ楽しみに見て欲しい。

 

Special thanks to the photographer, Laurent Fénart, the editor of the film Marie-Hélène Mora, and my friend Makoto Yamashita who re-editted for me.