ブラッセル日本人学校同窓会・潜入記 Again at The Embassy of Belgium in Tokyo
潜入したというのは大げさなのですが。
またまた先日、ベルギー大使館でスピーチをさせて頂いてきました。ベルギーにあるブラッセル日本人学校の、ここ日本での同窓会にお邪魔して映画の宣伝をさせていただいたのです。
ちょうど予告編も出来上がり、公式HPもできたタイミングでしたので、お土産袋にもチラシを入れて頂けるとのこと。同学校の第1期生のお一人がたまたま以前から、ジルと知り合うよりもっと前からの友人だったのでお招きいただきました。(今考えると、そんなこともこの日に結びついて不思議です。)
集まっていたのは、もちろんベルギーに愛着たっぷりの方達ばかり。
私がベルギーに住んでいたのは2010年からの3年半で母親になってからでしたし、子供もまだ乳幼児でしたから、日本人学校と直接関係があったわけではありません。けれども、この学校のPTAを母体としたコーラスグループに参加したり、多くのママ友が全日制、またはハーフのお子さんの場合、週末の土曜日だけの”補習校”に行っているケースも多く、今もそうです。だから、格別に親しみを感じています。
ビデオ映像で学校のホールが映し出された時は、「あ〜。見たことある〜〜、懐かしい」と私も一緒になって感慨にふけっていました。
「あの頃はアンカレッジ経由でしか行けなかったのよ」「年に一度の家族の帰省なんて許されていなくてね」「最初は民家の一角から始まった学校だったから、正式に始まる前の生徒は0期生、って言われているのよ」など、面白い懐かし話も聞けました。
それにしてもやっぱり、数年でも住めば、”第二の”、とか”第三の”故郷・・のようになるものなんだなあと。私も子供が生まれてすぐで、ある意味自分の”再生期”のような時期に住んだこともあるせいか、ベルギー、特にブリュッセルへの愛着はひとしおです。
(※ブリュッセル、と最近ではいうことが多いですが、英語読みだとブラッセルになるのです)
ジルがテロに巻き込まれているとは分かっていない時でさえ、ニュース速報で「ブリュッセルで爆発」と聞いただけでも、仕事中でありながら机に突っ伏し、真っ暗な気持ちに襲われたのを思い出します。
ところで私、期せずしてまた泣いてしまいました。他人の学校のはずなのに。
それは宴もたけなわで最後のあたり。服装も年齢もバラバラな元生徒たち、元先生たちがスクリーンに映し出された歌詞を見ながら一斉に校歌を歌い始めた時です。キラキラとした青春を再生させているかのような瞳、そして一体感のある光景。
あれ? どこかで見たことある。そう、私も昨年の10月、同じような場所にいました。出身高校の大同窓会です。あの時の私と同じ気持ちで、今ここにいる皆さんも校歌を歌っている。
映画「残されし大地」に出てくる、おじいちゃんがしみじみと言っていました。
”土っちゃあ、人を生かすためのものなんだな。どこでも住めば都っていうもんな。”
元気をもらうためには、自分が育った、自分を育ててくれた土から栄養をもらおう。人間も植物と同じ。一度は根を張った場所には、一度はバイパスが通っているから、すぐに地中の水分とコネクトできて栄養分も吸いやすいんだ。
同窓会や帰省は、過去を懐かしむためにあるのではなくて、また前を向いて頑張るために元気をもらうためにあるもんだな。そんな風にしみじみと思いました。
お土産袋はベルギーでメジャーなスーパー、カルフール・デレーズのショッピングバッグ。(最近、ベルギーに”帰省”した人が、一生懸命スーツケースに入れて持って帰ってきたのだそう。そんなエピソードも、どこかで聞き覚えあるぞ〜。)そしてタンタンのクリアファイルの中にたくさんのベルギー関連の商品などのフライヤー。さらにここに、1枚チラシも混ぜていただいたというわけです。
ところで、そのブラッセル日本人学校で歌い継がれる校歌。初代の校長先生が作詞されたそうですが、残念ながら昨年お亡くなりになったそうです。
日本の校歌らしく土地の自然を織り交ぜながら、それでいてその景色は美しいベルギーのもの・・という歌詞に、私も胸がじんわりと熱くなりました。この校歌の存在に嬉しくなりました。
ここに転載させていただきます。きっとこれを読むと、皆さんもご自分の母校の校歌を反芻して、故郷の景色を思い浮かべたくなるのでは。
ブラッセル日本人学校 校歌
1
森をこえ 泉をこえて
鐘の音が 響く
石だたみの彼方 高き学舎
若い力の 伸びゆく園
おお ブラッセル日本人学校
2
岡をこえ 野原をこえて
光りの帯が 続く
マロニエの茂み さわやかに
清い心の 花開く里
おお ブラッセル日本人学校
3
海をこえ 空をこえて
結び合う 友情
ベルギーと日本をつなぐ 虹のかけはし
希望と夢をはぐくむ国
おお ブラッセル日本人学校
HPついにできました!