故ジル・ローランを偲んで

A blog to remember Gilles Laurent, who died in Brussels Attack in the middle of making his film about Fukushima / this blog is organized by his wife Reiko Udo

もうすぐ10年。そしてもうすぐ5年。④

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Vol.4 セルフ・ファミリーポートレート 

2012年 @ブリュッセル

 

ブリュッセルのアパートにて。おそらく一番左の次女が0歳の時っぽいので2012年です。

何のためにとったのか覚えていないのですが、「たまには家族4人揃ったところを撮っておこう」ということだったのだとおもいます。

 

ジルが左腕でカメラを支えてこちらに向けていたという記憶が。

 

そしてなぜか、親2人が張り切ってばっちりカメラ目線で、子供達が揃って向こう側を向いています(笑)。

 

次女のサスペンダーのように見えるものは、実はハーネスのストラップで、「先天性股関節脱臼」という1000人に3人くらいといわれる”脱臼”を生まれつき持っていたからなんです。

 

でも、確か半年くらいハーネスつけて、完治したのでした。未来永劫問題がないかどうかはわからないけれども、多くの体験談から聞くと、だいたいは赤ちゃんの時期にケアをしておけば、その後は大丈夫・・らしい。

 

そして実際、その後の次女は、いまに至るまで歩くも走るも自由自在。

 

思いがけず、しばらくハーネスつきで過ごすことになり、自由に動きたい赤ちゃん時代なのに脚を投げ出せない状態で一部固定状態だった娘。屈伸した脚のまま床に寝転びながらも、おっとり過ごしていたその姿を見ながら、「ケアしてあげるからね、大丈夫だからね・・」としみじみとジルが言っていたのを思い出す。

 

壁紙ではない、塗り壁だったアパートの白い壁とか、窓から見えた景色とか。

一枚の写真から連鎖して、ほんのちょっとずつのいろいろなことを思い出す。